今更ですが、ベクトルタイルの作成方法について整理しておきます。
以前とやり方が違っているので、自分用メモです。
環境
OS:Rocky Linux 9
準備として必要なパッケージをインストールします。
適当な作業用ディレクトリを作成しそこへ移動します。
その後、以下のコマンドを実行して、必要なパッケージ類をインストールします。
足りないものは適宜追加してください。
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yum -y install gcc-c++ sqlite-devel zlib-devel git |
ここからは、githubにインストール手順が記載されていますので、合わせて確認してください。
https://github.com/mapbox/tippecanoe#installation
次に、mvtを作成するためのプログラムソースであるtippecanoe(「ティペカヌー」と読むらしい)をgithubからダウンロードします。
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git clone https://github.com/mapbox/tippecanoe.git |
gitコマンドで展開された作成されたtippecanoeディレクトリへ移動して、コンパイルとインストールを行います。
公式では、下記のmakeを行う際、「-j」オプションを指定してmakeの並列実行を指定していますが、私の試した環境では敢えて「-j」無しでmakeを行いました。理由については後述します。
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cd tippecanoe make make install |
makeの際にオプションで-jを指定するとコンパイルが速くなりますが、プアなマシンでやると固まってしまう場合があります。
また、オブジェクト作成時の依存関係が原因と思われるエラーが発生し、これもまた正常にコンパイル/リンクが出来ない場合があります。
今回、私の環境では、マシンが固まる現象が発生したため「-j」を外してmakeを実行しました。
時間は掛かりますが、正規の方法ですので問題はありません。
mvtを作成するにはそこそこのリソースを必要とするケースが多いと思われ、出来ればCPUやメモリなどのリソースに余裕がある環境で「-j」を付けてコンパイルをすることが望ましいです。
これで必要なパッケージとかはインストールされているのですが、パスを切っておかないとだめです。
Rocky 9 のデフォルト環境設定なのか、/usr/local/binへのパスが設定されていませんでした。必要な方は設定しておいてください。
ちなみに、デフォルト設定を変更したい人はこちらを参考にしてください。
mbtilesとpbfの作り方
mbtilesの作り方
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tippecanoe -l gs_map -rg -z18 -Z6 -o hoge.mbtiles hoge.geojson |
-rg デフォルトでも構いませんが、データによって値を設定すると良さそうです。
pbfの作り方
コマンドは以下の通りです。
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tippecanoe -l gs_map -rg -z18 -Z6 -e タイル出力先ディレクトリ hoge.geojson |
実際に、この方法で作成することは出来ますが、Mapbox GL JSではこの方法で作成したpbfは扱えないという記載が見受けられました。
tippecanoeは、pbfを作成する際にデフォルトで圧縮を行っている(後で重要になる)そうです。
そこで、圧縮を行わない設定を追加します。
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tippecanoe -l gs_map -rg -z12 -Z6 --no-tile-compression --drop-densest-as-needed --no-tile-size-limit -j '{"*":["all",[">=","対象属性",1000]]}' -e output_dir input.geojson |
① –no-tile-compression : 圧縮を行わない。
② –no-tile-compression :タイルが大きすぎる場合は、フィーチャ間の最小間隔を広げて 500K 未満に縮小しようとします。 検出された間隔は、ズーム レベル全体に適用されます。
③ –no-tile-size-limit : 作成するタイルサイズの制限を解除します。
④ -j ‘{“*”:[“all”,[“<“,”対象属性”,1000]]}’ :フィルタリング条件
⑤ -e output_dir :出力先ディレクトリ
なんか②と③が打ち消しあっている様な感じにも思えなくもないのですが、③は確実に機能している様でした。
④で対象となるフィーチャーをフィルタリングしています。
これを行わないと、ランダムにフィーチャーがドロップ(間引き)されます。
属性による対象地物の指定方法
-jオプションについて、もう少し説明します。
こんな感じで指定しています。
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-j '{"*":["all",[">=","対象属性",1000]]}' |
「*」 :対象のファイルを指定している。ここでは全てを意味します。
対象ファイルを分けて条件を変更することも可能なのでしょう。
「all」:フィルター演算子。allは全ての条件を満たすことを意味する。
他に、「in」「none」などがある。
「>=」:演算子の指定。
「比較対象」:フィーチャーの属性を指定。
「比較条件」が1000以上のデータを対象とする。
オプションの設定はたくさんあって理解するのが大変です。
気が向いたら、追記してみようと思います。
参考:https://github.com/mapbox/tippecanoe#cookbook
Web配信におけるデータ圧縮
先程の方法で作成したpbfファイルは、オプションを指定することで非圧縮ファイルになっています。
mapbox GL JSで扱う場合には、非圧縮が条件になるため仕方ありません。
でも、それは mapbox GL JSが扱う際に圧縮されていると不味いということで、通信中に圧縮されていることは特に関係ありません。
ということで、配信するサーバでApacheを利用している場合は、以下の方法を検討してみると良いでしょう。
Apacheの配信データを圧縮する。
/etc/httpd/conf.dに以下のファイルを作成する。
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vi /etc/httpd/conf.d/mod_deflate.conf <IfModule mod_deflate.c> AddOutputFilterByType DEFLATE text/html AddOutputFilterByType DEFLATE text/plain AddOutputFilterByType DEFLATE text/css AddOutputFilterByType DEFLATE application/javascript AddOutputFilterByType DEFLATE application/font-woff AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-font-otf AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-font-ttf AddOutputFilterByType DEFLATE text/pbf </IfModule> |
他にも必要に応じて設定を行う。
httpdの再起動もしくはリロードを行えばOK
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systemctl restart httpd もしくは systemctl reload httpd |