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VMware Workstation Pro ディスク肥大化の対応

VMware Workstation Proで仮想マシンを使っているとディスクが肥大化していることがある。
VM内で確認するとそれ程ディスク容量を消費していないのに、ホスト側で確認するとアレこの容量なんじゃ?という感じです。

このような場合には、diskをshrinkすることでストレージ容量を削減することが可能です。

何故この様な状態が発生するかというと、ファイルシステムにおけるセクタの使い方にあるのではないかと想像されます。

イメージ的にはデフラグが発生していると、使っているない場所までディスク領域としてファイルに残されるのでしょう。
通常、ファイルの書き換えを行うと既存のデータを上書きするのではなく、空領域に更新データを書き込んでセクタを置き換えている動きをファイルシステムが行います。
その結果、空いた領域がそのままVMのディスク上に残った状態が発生しているのもと推察されます。

これをshrinkコマンドを使ってスリム化することが可能です。

では、実際に取り掛かります。

下準備

VMware Workstation Proのshrinkは、VM内で行います。
まずは確認を行うため、以下のコマンドを実行してみましょう。

通常、このコマンドを実行した際に得られる内容は各ディスクのリストです。
ここではLinux上で確認していますので、こんな感じでディスクの一覧が表示されます。

ただし、スナップショットを取っている場合などにはディスクの情報が得られず、以下のようなメッセージが表示されます。

shrinkを行う際には、スナップショットを全て削除する必要があります。
適宜、スナップショットを削除してから再度コマンドを実行してください。

ここまでが下準備です。

shrinkを行う

VMware Workstation ProのVM設定画面では、ストレージに対してデフラグ(Defragment Disk)や拡張(Expand Disk)や圧縮(Compact Disk)を行うことが出来ますが、未使用領域をクリアにしてスリム化するにはshrinkコマンドを実行することになります。

VMがファイルへの書き込みなどを頻繁に行っている状態では不整合が生じる場合もありえますので、できればバックアップを取るなども検討してみると良いでしょう。

その上で、以下コマンドを実行してshrinkを行います。

Linuxの場合、/bootは殆どの場合、元々の容量が少く書き換え頻度も少ないので影響は殆どありません。
容量が大きく書き換え頻度が多いディスクを対象にshrinkを行うことで、大きな効果が得られます。

また、仮想ディスクを1本で賄っている場合には、出来るだけ大きなディスクから順番に作業を行うことで作業時間を短縮できると思われます。

個々の環境によって異なりますが、ディスクの肥大化が進んだ状態では割り当てられているディスクの容量程度まで肥大化が進みます。
shrinkを実行すると、実際に使用しているディスク容量の約1.5倍程度の容量にスリム化してくれるでしょう。

今回実施した環境では、全体容量221GBに対し21GBまでスリム化出来ていましたので効果は絶大です!

ディスクの肥大化は時間経過に影響される傾向があります。

余談

ここで少し余談です。
これは想像の域を脱しませんが、こう考えると私の場合すっきりしました。

近年好まれて使用されているSSDは、書込み寿命があります。
書込み寿命の回数や容量については割愛しますが、ファイルを書き換える際、常に同じ領域を書き換えると同一記憶素子が劣化すると考えられます。
そのため、ディスク内の書き換えを行う際には、ディスク全体を満遍なく使用するために書き換える領域を全体に振り分けて少しでも寿命を長くしようとする動きを行います。

これに対して、VM上におけるディスクは物理的なディスクではなく、ファイルとして存在しておりファイルの容量が肥大化することに繋がると考えられます。

よって、書き換えが発生するVMのディスクは肥大化を回避することは出来ません。

将来的に、この仕組みは考慮されるべきであると考えられますが、現状では、この書き換えによるファイルの肥大化が発生しますので、システムによりその周期は異なるものの定期的なディスクメンテナンスを実施することで、実質的なストレージ容量の肥大化を防ぐ必要があるように考えられます。

クラウドシステムなどにおいて、この対策がどのように行われているかは、個々の仮想化環境に依ってことなり、VMwareによって構築されている環境であっても、shrinkなどを実施することが望まれることは無いと考えられますが、デフラグなどを無くすことでファイルアクセスの効率化や動作の安定を考慮する際には考えるべきポイントなのかも知れませんね。
とは言え、クラウドまで考えると厳しいので、まずは自分の環境で確認を行うことが望ましいかと思います。