本記事は2021年9月1日現在の移行手順を記しています。
必ずしも最新の情報では無いことをご留意ください。
また、CentOSやRocky Linuxがそうであるように、OSSは自己責任です。
本記事の内容に不備があったとしても、何らの責任も保障もありません。
必ずバックアップを行ってから作業を行うことを強くお勧めします。
さて、2020年12月にCentOS 8の保守期間を2021年末で打ち切るという暴挙発言があってから、移行先に苦慮しておりました。
いくつかの選択肢があることはここで示しませんが、その一つとしてRocky Linuxを使用することとしました。
既にRocky Linuxへの移行手順については、いくつものサイトで記載されていますが、個人的なコメントも付け加えながら記録しようと思います。
まず、準備した環境はVMware上で動作する仮想マシンです。
CentOS 8 がインストールされています。
比較的単純な構成となっており、複雑な環境でどうなるかはこれからいくつかの環境を移行する中で生じる課題として、今後、気が向いた時にでも追記していこうかと思います。
では、移行手順を記します。
確認
まず、本家サイトを確認します。
ドキュメントを確認し、Convert CentOS (and Others) to Rocky Linuxの内容を確認してみます。
ざっくりと最初の方で記載されていることは、ハードウェアとかVPSなどの実装環境とそこで動作しているCentOSやAlma linux,RHEL,OracleLinuxのバージョンが8.4に対応していることが求められています。
あと、root権限が必要になりそうですね。sudoでも可能なようです。
更に読み進むと、migrate2rockyをダウンロードして使用することが記載されています。
migrate2rockyは、下記のコマンドでダウンロードできます。
(後でこちらも記載します。)
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# wget https://raw.githubusercontent.com/rocky-linux/rocky-tools/main/migrate2rocky/migrate2rocky.sh |
この後の記載では、ブラウザでダウンロードする方法が記載されているのですが、まあコマンドラインで良いでしょう。どの道、コマンドラインで全て操作するのですから。。。
コマンド実行すれば出来上がりっぽい?
ということで、作業開始します。
手順
OSを最新状態にする。
まず、OSを最新の状態にアップデートします。
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# dnf update |
アップデートを行った後に、再起動を行うことをお勧めします。
※私の環境ではMySQL/MariadDBの設定を少し弄っていたために、MySQL/MariadDBが起動出来無くなっていました。こちらを参考に修正を行い復旧しました。
移行ツールのダウンロード
インターネットに接続されてる環境であれば、先に示したmigrate2rockyを直接ダウンロードすれば良いです。
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# wget https://raw.githubusercontent.com/rocky-linux/rocky-tools/main/migrate2rocky/migrate2rocky.sh |
本家では、/home/へアップロードする様に記載されていますが、他のサイトではどこでも良さそうですね。
説明が面倒なので、/home/で作業を進めます。
その他にもGitを使う方法やwgetを使う方法なども記載されています。
今回は、面倒な事をする気はないので、上記の方法で進めます。
インストール
これで準備は完了したようなので、インストール作業を進めます。
まず、移行ツールに実行権限を与えます。
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chmod +x migrate2rocky.sh |
そして実行しますが。。。。長い。。。
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./migrate2rocky.sh -r |
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yelp-libs-2:3.28.1-3.el8.x86_64 yelp-tools-3.28.0-3.el8.noarch yelp-xsl-3.28.0-2.el8.noarch yum-4.4.2-11.el8.noarch yum-utils-4.0.18-4.el8.noarch zenity-3.28.1-1.el8.x86_64 zip-3.0-23.el8.x86_64 zlib-1.2.11-17.el8.x86_64 Complete! Subscription Manager found on system. If you're converting from a subscription-managed distribution such as RHEL then you may no longer need subscription-manager or dnf-plugin-subscription-manager. While it won't hurt anything to have it on your system you may be able to safely remove it with: "dnf remove subscription-manager dnf-plugin-subscription-manager". Take care that it doesn't remove something that you want to keep. The subscription-manager dnf plugin may be enabled for the benefit of Subscription Management. If no longer desired, you can use "subscription-manager config --rhsm.auto_enable_yum_plugins=0" to block this behavior. Done, please reboot your system. A log of this installation can be found at /var/log/migrate2rocky.log [root@localhost home]# |
こんな感じで成功したようです。
最後にリブートするように指示されています。
その前に、、、、ちょっとだけ確認してみます。
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# more /etc/rocky-release Rocky Linux release 8.4 (Green Obsidian) |
当然ですが、既に、/etc/centos-releaseは存在せず、rocky-releaseに置き換わっていますね。
ということで、リブートします。
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# reboot |
これで終わりです。
最後に
今回移行を行った環境は比較的シンプルな構成でした。
ダウンロードされたモジュールの総容量は約1.3GB程度と予想されます。
実際に掛かった時間は計測していませんが、体感で1時間程度ではないでしょうか?
アップデートと更新に係る時間がほとんどでしたら、既に最新の状態にされていた環境であれば30分程度で移行が完了するのではないかと思います。
作業自体は、非常にシンプルです。
作業後に少しだけ触ってみましたが、変わった印象も違和感もありませんでした。